寺田 研究室
★ 平成15年度 卒業研究テーマ・概要
私の研究室は,超電導材料と磁性材料の研究を行っています
− 超電導材料 −
超電導(超伝導とも書く)材料に関する代表的な特徴をあげると,
- 電気抵抗がゼロになる現象である
ある臨界温度以下において電気抵抗が完全にゼロになる.このため電流を流しても抵抗による発熱がないため,大電流を流して強磁界の発生が可能となる.
- 磁力線を排除すること
普通,ある材料が磁界中にあるときは,材料の内部に磁力線が通過しているが(常磁性体),超電導状態ではある臨界温度以下では材料内部の磁力線を排除する(反磁性体).
これがマイスナ−効果という現象である.
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| 常磁性体 | 反磁性体 |
| 内部の磁束の流れ | 液体窒素で冷却したイットリウム系酸化物超電導体超電導体の上に磁石がマイスナ−効果で浮上している |
[研究内容]
- 新酸化物超電導体の開発とその特性に関する研究
- 超電導線材の新しい作成法とその特性に関する研究
[超電導体の応用]
- 電力システムへの応用
電力の需要は年々増加している.これに対応し,さらに低コストで電力を供給するために超電導線材の開発が精力的に進められている
- 発電機への応用
火力発電や原子力発電に使用するタ−ビン発電機の回転子の冷却には,水素ガスや水が使われているが,液体ヘリウムで冷却される超電導巻き線を用いると
大きな磁界が発生できるから巻線数を減らされることから,発電機の大幅な重量減,効率の向上が得られる
- 電力エネルギ−の貯蔵装置
現在,電力用エネルギ−貯蔵装置として揚水発電所が用いられているが,効率が低い.超電導は抵抗がゼロになるため高密度の電流を殆ど損失なく流せるので,
発生したエネルギ−をフライホイ−ルなどの回転運動エネルギ−に変えて蓄えておき,必要なときにこの機械的エネルギ−を電気的エネルギ−に変換して使用する
- 電力ケ−ブルへの応用
超電導ケ−ブルは通常ケ−ブルの10〜20倍の電流を流すことが可能なため,建設用地,送電損失も大幅な減少が可能となる
- 交通機関への応用
従来の鉄道は,車両の駆動を車輪とレ−ルとの粘着力で推進していたが,磁気浮上式鉄道は,磁石の反発または吸引力を利用した方法で,
非接触で行わせるリニアモ−タを使った方法であるため,超高速走行ができるようになり,現在試験走行が行われている.
- その他
変圧器,電磁推進船,コンピュ−タ,計測器,医療機器,自動車への応用など利用範囲は広い
− 磁性材料 −
磁性材料技術は日本が最も得意とする分野であり,世界に誇れる産業の一つである.磁性材料の一つである永久磁石は,小さい頃から慣れ親しんだ物の一つである.
この磁石の不思議な現象を利用して,私たちの身の周りには多くの製品が作られている
[研究内容]
- 化学的共沈方により作成した磁性体微粒子(フェライト磁石)に関する研究
- 超急冷薄帯装置により作成した希土類系磁石(Nd-Fe-B系)の磁気特性に関する研究
- メカニカルアロイング法により作成したフェライト磁石の磁気特性に関する研究
[磁性体材料の応用]
- フレミングの法則を使ったもので,磁界の中においた導体に電流を流すと,磁界および電流と直角な方向に力を受ける原理によるもので,
電気エネルギ−を機械エネルギ−に変える働きをしている.この動作原理を利用したものに電動機,計測器,電気振動を起こさせるように作られたマグネトロンなどがあげられる
- 磁界の中を導体が動くと導体に起電力が発生するように,機械的エネルギ−を電気的エネルギ−に変換する方法で,
自転車の発電機やマイクロフォン,ピックアップなどの音響機器への利用>
- 磁石のもつ吸引や反発および物理的性質などを利用したものとして,磁針計,羅針盤,磁気テ−プや磁気ディスクなどの記録媒体,各種磁気カ−ド類等に利用されている